天然石にまつわるショートコラム(第五十五回目)

天然石にまつわるショートコラム(第五十五回目)

今月2回に渡って投稿したブログです

カットの仕方で現れる視覚的効果

天然石の丸玉やビーズに、
光を当てると星のような筋が煌めいたり、
光を当てて左右に振ると、
猫の目のように筋が左右に動くものがあります

この効果は、天然石が元々持っている効果ではなく、
丸玉やビーズへの加工によって、
後天的に発揮される視覚効果であります
では、それぞれの視覚効果を見ていきましょう

スター効果
ルチルがインクルージョンした天然石に見られる現象です
石を半球形にカボションカットすることで
2方向のルチルが交差で4条、3方向で6条、
4方向で12条のスターが現れます
ルビーやサファイアが有名、
他にローズクォーツ、スピネル、ガーネットに見ることができます
スター効果を示す石はスター石、
その石が持つ効果を更に高めると言われています
強い光を当てることで、光が反射し、
表面に2つ以上の交差した光筋が現れる反射効果
アステリズム効果(asterism)、星彩効果とも呼ばれます
中心から伸びた光が星のように見えることから呼ばれます

シャトヤンシー効果
ルチルがインクルージョンした天然石に見られる現象です
半球形にカボションカットすることで見ることができます
インクルージョンが長い針の形状や、
インクルージョンが平行に配列される場合、
充分な量のインクルージョンがある時に見られます
キャッツアイ効果とも呼ばれます

レンズ効果
ガーデン水晶のペンダントのインクルージョンが
大きく拡大して見えることがあります
これは、透明度の高い水晶部分を
カボッションカット等にカット研磨する事で
拡大鏡のような効果があるためです
水晶系の鉱物には、
インクルージョンの入ったタイプが
バリエーションが多彩なので微小であっても拡大されたように見えます
研磨次第では意図して万華鏡のように見せているものがあります

カボションカットとは、
カボションとは、
ノルマンフランス語で「頭」を意味する「caboche」から来ています
最も古く、最も普及した研磨方法で、
宝石では下部が平らあるいはわずかに丸みを帯び、
上部が凸状または丸いドーム条に研磨されます
透明度が少ない石やインクルージョンが
目立つ石に対して使われる研磨方法です

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