
天然石にまつわるショートコラム(第五十八回目)
歴史上の人物と天然石
中世 ヨーロッパ
ユスティニアヌス1世
6世紀にローマ帝国を復興した皇帝、
イタリアの古都ラヴェンナにあるサン・ヴィターレ聖堂に、
その姿が多く残されており、王冠には真珠が嵌め込まれています、
更に彩色されたモザイク画の肖像画には、
エメラルドの十字架を持った大司教が並んで立っており、
皇帝が持つ十字架にも同じ宝石が付いていたと想像できます
カール大帝(シャルルマーニュ)
8世紀にフランク王国を築いた人物で、
「ヨーロッパ世界」の生みの親とも呼ばれる 、
守護石としてサファイアを所持していたと言われています
オットー1世(大帝)
10世紀に神聖ローマ帝国の始祖となった皇帝、
戴冠式で使われた王冠には、真珠、サファイア、エメラルド、
アメジストの宝石が細いワイヤーで留められ、
光が当たると内部から光が放たれる様であったと言います
イングランド ウィリアム1世(征服王)
11世紀にイングランドを征服した戦士、
戴冠式に聖エドワード王冠を被ったと言われています、
現在の王冠は17世紀に作られたもので、アクアマリン、
ホワイトトパーズ、トルマリン、ルビー、アメジスト、
サファイア、ジルコン、ガーネット、スピネルがあしらわれています、
当時のウィリアム一世の王冠にも輝いていたのでしょうか
エリザベス1世
16世紀のイングランド、アイルランドの女王、
肖像画から読み取れる天然石は、王女時代は落ち着いた印象の真珠、
女王時代は威厳を示すためか豪華な装いとして、真珠とスピネルを身につけていました
マリーアントワネット
18世紀のフランス王国最後の王妃、
フランス革命で失脚、没後に保管されていた宝飾品がサザビーズで
高額で落札されました、
天然真珠、ダイヤモンドがあしらわれていたそうです、
アクアマリンもダイヤモンドに加えて愛していたと言われています
ナポレオン
18世紀にフランス革命の混乱を収拾し皇帝に即位、
宝石愛好家として知られており、
カーネリアンやホワイトアゲートの宝飾品を身につけていました