天然石にまつわるショートコラム(第三十一回目)
第31回目の配信です
今回から天然石の産地について投稿します
店頭に並べられた天然石には、商品名に産地が書かれているものが少なくありません
産地によって天然石の特徴がありますので、今回は水晶から始めたいと思いますが産地が多いので2回に分けて投稿します
水晶は、世界中で産出されているのですが、最も流通して、品質が高いものは限られます
日本では全国で水晶は採掘されますが、海外と比べると派手さや美しさはどうしても劣ってしまいます
ヒマラヤ産水晶
ヒマラヤは山脈を指しているので、国で言うと主な産地はネパール、ネパールを挟む形でインドになります
まず、ネパールは、ヒマラヤ山脈が元々神聖な場所、聖域であり、採掘できる鉱山までの道のりが険しく、麓に住む村人が手彫りで丁寧に採掘されていました、今では採掘には機械化が進んでいます
ネパールにはヒマラヤ山脈に沿って採掘鉱山が多く存在し、ガネーシュヒマール、ポカラ、ヒンドゥン、カンチェンジュンガ、ゴルカ、タプリジュン、ダーディン、エベレスト、K2、ガウリシャンカール、アピ、サイパルヒマール、サンクワサヴァ、などがあります
ガネーシュヒマール産が有名ですが、その多くがラパ山で採掘されたものです
採掘される水晶の特徴は、透明度が高く、ダブルポイント、マルチターミネーター、エレスチャルなど多様な形状を持っています
ごく稀に凹状の逆三角形の模様が刻まれた「トライゴーニック」という水晶や、表面が金色や虹色に輝く「ゴールデンヒーラー」と言う水晶が産出されます
ネパールの他の産地で採掘される水晶は希少なので、巡り合ったら大変貴重です
次にインドは、北部がヒマラヤ山脈に接し、ヒンドゥー教の聖地の一つである、パールバティー渓谷の奥地にある、マニカラン地区の水晶が有名です
マニカランで産出される水晶の特徴は、標高6000mの鉱山で、当初は氷河に覆われており、温暖化により氷河が溶けて、水晶が地表に現れて発掘が可能になりました
長年氷河に覆われ、近年になって採掘されたので、乱獲されることなく、美しく透明度の高い水晶が発見されます